vrsj annual conference : organized session

「エンタテインメントを研究する ーエンタメ研究の社会展開・共同研究ー」

Reported by :吉田 成朗(OMRON SINIC X、A+E研究委員会 副委員長)

2022年9月12日(月)-14日(水)の3日間にわたり、札幌市立大学デザイン学部にて対面形式でVR学会全国大会が行われ、本会もオーガナイズドセッション(OS)を実施した。

本会OSは「エンタテインメントを研究する ーエンタメ研究の社会展開・共同研究ー」と題し、価値の説明や客観・定量的評価の難しいエンタテインメント(エンタメ)研究をテーマに、学術研究とエンタメの融和や展望について議論を行った。立ち見が出るほど盛況なセッションとなり、大会参加者の本テーマへの興味・関心が窺い知れた。

話題提供として、大学・企業に属する4名の研究者からエンタメ研究の実践や社会展開、共同研究事例などが紹介された。

はじめに慶應大学の山岡氏からは、自身が取り組む知育玩具の制作プロセスやワークショップ展開、製品化などに関する紹介があった。

バンダイナムコ研究所の河野氏からは、AIとxRを駆使したエンタメ体験の紹介や「楽しい」を研究することの意義について紹介があった。

CyberAgent AI Labの岩本氏からは、小売店舗において商品自らが購買行動を促すPlayful Recommendationの紹介や、研究と事業のギャップについて紹介があった。

奈良先端の磯山氏からは、アーティストとのコラボレーションを論文化した試行錯誤や方法論に関して、こうすれば良かったといった悩みや後悔とともに紹介があった。

パネルディスカッションでは、エンタメ研究のゴールや、評価する方法論や指針をどう共有するか、学術論文とは異なるエンタメ作品のアーカイブ方法などについて活発な議論が行われた。