vrsj annual conference : organized session
「魅せる表現 x 感じる表現」
Reported by :河野 通就(バンダイナムコ研究所)
2023年9月12日(火)-14日(木)の3日間にわたり、東京都⽴多摩産業交流センター 東京たま未来メッセとオンラインのハイブリッド形式でVR学会全国大会が実施された。
今大会では、本会アート+エンタテインメント研究委員会と神経刺激インタフェース研究委員会の合同にてオーガナイズドセッション(OS)「魅せる表現 x 感じる表現」を実施した。
本OSは、視覚的に体験しやすい「魅せる」表現と視覚情報などからでは共有がされづらい「感じる」表現について議論した。
はじめに各登壇者より、研究紹介と問題意識について共有がなされ、お茶の水女子大学の土田氏からはこれまで取り込まれたダンス情報処理について魅せることのみならず、感じるという視点からも紹介がなされた。Takramの村松氏からは生き物っぽさを表現するロボットや身体を拡張する自在肢のデザインプロセスやダンサーとの協調表現について紹介があった。
東京大学の中村氏は、主に電気刺激を用いた味覚制御について紹介され、体験者自身が直接的に感じる味覚を共有可能にするための問題が議論された。大阪芸術大学の安藤氏からは前庭刺激を用いた研究事例とそれによる超能力的な体験について紹介がなされ、最後に誰にでもわかるような「体感メディア」と想像力によって膨らませる「心感メディア」をキーワードに議論があった。
パネルディスカッションでは、見えない感覚の伝え方、実在せず共通感覚として存在しない表現の伝え方であったり、作品や研究は体感メディア・心感メディアどちらか一方ではなく、双方満たせることが理想的である可能性について議論がなされた。